一般質問①|持続可能な市政のための事業見直しと行財政改革
こんにちは。帯広市議会議員の柳田健太郎です。
9月議会の一般質問のうち、まずは一つ目のテーマ「行財政改革」について報告します。
なぜ、今“行財政改革”なのか
少子高齢化の進行、物価・人件費の上昇、災害や感染症への備え、そしてDX/GX対応――自治体を取り巻く環境は複合的に厳しさを増しています。新しい事業は積み上がる一方で、既存事務の見直しや統廃合は市民から見えにくいのが現状です。人的リソースに限りがある以上、事業と業務の“総量管理”を前提に、選択と集中を進めることが不可欠だと考えています。
私が議場で問いかけたこと(ポイント)
- 「やめる勇気」を含むスクラップ&ビルド
効果が薄れた事業は見直し、必要なところに人とお金を振り向けるべきだと提案しました。 - 総量の見える化
事務事業評価を運用しているが、廃止・縮小の結論がどれだけ出ているのか市民からは見えにくい。過去何件をやめ、どれだけ負担が減ったのか――“総量の推移”を示すべきだと求めました。 - 時間外勤務の高止まり
一人当たり時間外勤務はこの10年で約40時間増。現場の疲弊を止めるには、効率化だけでなく仕事そのものの総量抑制が必要です。 - 基準づくりと「出口設定」
新規事業は立ち上げ時に“終期・縮小基準”を設け、成果と環境変化で見直す仕組みに。判断プロセスの透明性を市民・議会に示すよう求めました。 - 第三者の知見活用
執行機関の責任は前提としつつ、必要に応じて審議会等で多様な知見を取り入れる選択肢も提起しました。 - 人員配置の最適化
増員だけでなく、業務量に応じた配置転換・再配置の考え方と実行状況をただしました。 - 副市長答弁への所感
「新規を足すならどこを減らすのか」という取捨選択の視点を、議会側も共有すべきだとのメッセージを重く受け止め、私自身も提案時に“財源の振替案”をセットで示していくと表明しました。
市の答弁(要旨)
- 行財政推進プランの方向性
デジタル化でのサービス向上・効率化、担い手の確保と意欲・能力の向上、事務事業の適切なトリミングと資源の有効活用――これらを改革の方向として取り組むとの答弁でした。 - 廃止・縮小の把握と基準
廃止件数を経年では把握していない。予算編成の中で実績・効果・影響を踏まえ個別判断しているため、一律の基準化は困難との見解でした。 - 時間外勤務・業務総量への見立て
ICT活用、外部リソース活用、ワークシェアや優先順位付け等で対応しているとのこと。ただし、業務総量の抑制そのものをどう進めるかは、引き続きの課題です。 - 人員配置
全庁的な業務量や時間外の状況を踏まえ、必要に応じて増員や再配置を行っているとの答弁でした。 - 第三者機関の活用
事業の存廃は執行機関が責任をもって判断。附属機関はあくまで知見を得る場であり、何の考えもなく諮問する性質のものではないとの立場が示されました。
私の提案(アクションプラン)
- “業務総量”の公開
新規・拡充と廃止・縮小のバランス、職員の時間外勤務、案件数の推移を定期的に可視化。市民と課題認識を共有する土台に。 - 新規事業の“出口設計”を標準化
立ち上げ時にKPI・評価時期・縮小・終期の目安を明文化し、翌年度以降の継続は“原則要再評価”に。 - 予算提案の“振替原資セット”運用
新規・拡充を出す側(議会も含む)は、どこを減らすかまで提案する文化へ。副市長の趣旨答弁を実装に落とし込む。 - 人員最適化の年次レビュー
増員だけに頼らず、業務棚卸し→再配置→委託・民活の選択肢を年次サイクルで回す。 - 外部知見の“節目活用”
全件審査ではなく、事業規模・影響・継続年数に応じて節目で審議会レビューを実施。執行機関の責任と透明性を両立。
市民の皆さまへ
行財政改革は“やる・やらない”の二択ではありません。限られた人・お金・時間を、最も効果の高い領域へ移すための継続的な運動です。私は議会の場で、提案と振替の“セット文化”を根付かせ、見える改革を前に進めます。
「この事業は続けて」「ここは見直して」――皆さまの実感ベースの声が、改革の羅針盤です。引き続き、ご意見をお寄せください。