こんにちは。帯広市議会議員の柳田健太郎です。
北海道で実施されている「CDR(Child Death Review:こどもの死亡事例検証)」の取組みに関する研修に参加してまいりました。
CDRとは、不慮の事故や病気で亡くなった子どもたちの死亡事例を丁寧に検証し、同じような悲しい出来事を二度と繰り返さないために、再発防止の方策を探る仕組みです。北海道をはじめ、全国で少しずつその取組みが広がっております。
■ 多職種が連携した「命を守るチーム」
CDRの大きな特徴は、医療・教育・警察・福祉・保健など、子どもに関わる多くの機関が連携して取り組むという点です。北海道では、医療機関から提供される死亡票の情報をもとに、関係機関で事例を共有し、月1回ペースでワーキンググループ(WG)を開催。個々の事例について丁寧な振り返りが行われています。
たとえば、寝返りによる窒息事故、SIDS(乳幼児突然死症候群)、交通事故など、原因を一つ一つ分析し、「どんな対応ができていたら防げたか?」という観点で議論されていました。
■ 北海道の実績と課題
北海道では、R3年度から取組みを開始し、今年度までに計55件の死亡事例を検証。その中から有効な予防策を見つけ出し、チェックシートの作成や育児支援策の提言などに活かされています。
一方で、まだ一部の医療機関・関係機関との連携が不十分な地域もあり、情報提供や関係者の理解促進が課題として挙げられていました。
■ 帯広市でもまず“知ること”から
今回の研修を通じて感じたのは、「CDRという取組み自体が、まだ広く知られていない」ということです。
子どもの死亡事例の背景には、家庭環境や支援の有無、制度の隙間など、様々な要因が潜んでいます。そうした事例を“ただの数字”として終わらせず、未来の命を守るための「教訓」として社会で共有していく――その考え方自体を、もっと多くの人に知っていただくことが、まず必要だと感じました。
■ 最後に
CDRは、「子どもの命を救うために何ができたか」をみんなで考える取組みです。今後さらに全国的に広がっていく中で、帯広でもいつか議論が始まるかもしれません。
そのときに備えて、まずは私自身も学びを深め、必要性や可能性を丁寧に発信していくことから始めたいと思います。
関心のある方は、ぜひ一緒に考えていけたら嬉しいです。