暖房代支援給付金について
こんにちは。帯広市議会議員の柳田健太郎です。
今回は、9月議会で取り上げた「暖房代支援給付金」について、市民の皆さんへ報告を兼ねて整理します。
本事業の概要
帯広市では、冬季の厳しい寒さによる燃料費負担を軽減するため、低所得世帯を対象に「暖房代支援給付金」を支給しています。平成19年度に灯油引換券の配布として始まり、令和4年度からは電気やガスなども含め、現金での給付に変更されました。今年度は交付金を活用し、1世帯あたり12,000円を支給する予定です。支給は11月末から、口座情報を把握している世帯には申請不要で行われます。
私の質問と課題意識
議会では、以下の点を中心に質問しました。
- 12,000円の根拠
燃料費の高騰を反映した金額設定ではなく、交付金額を対象世帯で割り返したにすぎないのではないか、と指摘しました。実際に灯油代は平成19年度から約1.5倍に上昇しているにもかかわらず、給付額は2.4倍に増えており、算定の妥当性が問われます。 - 効果測定の不十分さ
制度の使いやすさが改善されたことで申請率は上がりましたが、実際に「家計負担がどの程度軽減されたのか」という本来の効果は測定されていません。支援額が大きく膨らんでいる以上、客観的な検証が必要だと考えます。 - 対象外となる世帯への対応
物価高騰は全市民に影響しており、対象外の世帯にも負担があります。過去には水道料金免除や学校給食費の軽減など広く市民を対象とした施策も行われており、バランスの取れた支援が必要です。 - 交付金の使い道の視点
今回の事業は国が示す8つの推奨メニューのひとつですが、医療・介護・保育といった公定価格で運営される分野も対象に含まれています。これらは価格転嫁できず物価高騰の影響を強く受けるため、自治体が重点的に支えるべき領域です。私は「低所得者支援」に偏るだけでなく、市全体の持続可能性を見据えた選択が必要だと訴えました。
おわりに
暖房は命を守るライフラインであり、支援策が必要であることは間違いありません。ですが、限られた財源をどう使うか、誰にどのように届けるかは、市全体の将来像を見据えて判断しなければなりません。
今回の議論を通じて、私は「例年通りの継続」ではなく、「市民生活を守るための最適な活用」を提案し続けていきたいと考えています。